GENchiArchitectsDESIGN Inc.

 源池設計室

アオハダ

2025.05.05

庭に植える低木のご相談に、昨年末お引渡しの「カワゾイノイエ」さんへお邪魔しました。
玄関入って正面に見えるシンボルツリーはアオハダの木。
 
松本市設計事務所源池設計室

 
お引渡しの時は葉っぱがない状態でしたが、見事に青々と茂っていました。
アオハダは、モチノキ科モチノキ属の日本在来種の落葉高木。
自然な樹形が美しいです。
樹皮は、爪で簡単に剥がれ、内皮が美しい緑色の肌をしていることが和名の由来。
ツキノワグマがこの木に登って赤い実を好んで食べるので、
「クマノリ」と呼ばれる地域もあるとか。
また、アオハダから採れる木材は白く美しいことから、
こけし細工や寄木細工に使用されるそうです。
 
松本市住宅設計源池設計室

 
街中の限られた敷地の中、中庭のシンボルツリーは
リビングからもキッチンからも寝室からも階段からもアウトドアリビングからも
その緑を楽しむことが出来ます。

リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s

2025.04.28

先週のCOUCOUに続き、江戸旅第二弾。
国立新美術館で開催中の「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」へ
行ってきました。
新たな素材や技術が普及し始めた約100年前、
ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエなど、
大規模建築も数多く手がけた著名な建築家たちの
「住宅」という視点にスポットをあてた展覧会。
光や風を取り込み方、暮らしを彩る椅子や照明などの取り入れ方、
快適性や機能性を求めた暮らし、
その考え方は、時が経っても今に繋がっていると思います。
 
松本市設計事務所源池設計室

 
ミースの未完プロジェクト「ロー・ハウス」の世界初となる
原寸大展示は居心地が良かったです。
アルヴァ・アアルトの「ムーラッツァロの実験住宅」や
ルイス・カーン「フィッシャー邸」
菊竹清訓「スカイハウス」など、
模型や写真で、どんな敷地に建っているのかもわかりやすく、
エーロ・サーリネンの「ミラー邸」のテキスタイルは刺激になりました。
 
長野県設計事務所源池設計室

 
ポーラ青山ビルディングの隣に移設された土浦亀城の自邸、
1935年に建てられたと思えない程モダンなデザインで
屋根の形状はどうなっているのか?
木造だけど筋違とかどうなっているのか?
気になっていましたが、構造模型を見てスッキリしました。
 
松本市住宅設計

 
6月30日までの開催です。
 

VILLA COUCOU

2025.04.21

1952年にコルビュジェのアトリエから帰国した建築家の吉坂隆正が
友人ご夫婦の為に設計したVilla COUCOU。
以前から見学したかった建物の一つですが、今回実現しました。
渋谷の住宅地の一角で小さな庭越しにコンクリート打ち放しの特徴的な外壁の建物が
なんとも控えめに佇んでいる姿が「カワイイ」。
23坪というミニマムに詰め込まれた贅沢な空間に心地よさを感じます。
 
松本市住宅設計源池設計室

 
玄関から入ったリビングの正面には奥にある庭が
大きな開口の先に広がり、室内と繋がっていきます。
片持ちの階段の下にはロンシャンの教会を思わせる色付ガラスブロックが埋め込まれ、
白い壁にガラスブロック越しの光がまた印象的です。
天井の低い書斎とそれにつながる吹き抜けのあるリビング、
そして空間を家具のような壁で隔てたキッチン。
各所に吉坂さんのデザインがちりばめられてました。
天井の大きなトップライトからは自然光だけでなく照明も埋め込まれ、
柔らかな光を落とし込みます。
 
夫婦で一級建築士事務所源池設計室

 
特徴的だったのはキッチンの入口です。
高さ1600くらいと思いますが、頭を下げてくぐる高さなのです。
おそらく、奥様はくぐらずとも通れる高さなのでしょう。
それにしても空間構成とスケール感が私たちのイメージ通りで
感動と発見の貴重な時間でした。
この建物を残そうと引き継いだ鈴木京香さんにも感謝です。